XG de PSG

じゅさんの「MIDIのぺえじ」 内の「MIDIでFC音再現法」に感銘を受けて
XGにも移植できないかと思っていろいろやってみました。
詳しい理論などはここでは割愛します。

ファミコンの音源には, 三角波, 方形波, 3:1矩形波, 7:1矩形波, ホワイトノイズ という音色があります。
それをXG音源で再現しようと試みてみました。

●三角波(標準XG)
Prg#81, Bnk#66のSine Leadを使って合成, 近似できます。
奇数倍の倍音(1,3,5,7,9...)をベロシティ比1 : 1/3 : 1/5 : 1/7 : 1/9 ...で重ね合わせます。
具体的には,
音程ベロシティ比
基音(たとえばC2とする)1(たとえば120とする)
3倍音(1オクターブ+完全5度上, G3)1/3(40)
5倍音(2オクターブ+長3度上, E4)1/5(24)
7倍音(2オクターブ+短7度上, A#4)1/7(17)
9倍音(3オクターブ+長2度上, D5)1/9(13)
......
という感じになります。

●三角波のノイズ(標準XG, MU100以上)
これはファミコンの三角波に含まれる"ギー"という感じの音のことです。
今のところ, Prg#6, Bnk#34のDXLegendのカットオフ, レゾナンスを上げて作ってます。
もしかするともっといい音色があるかもしれません。

2001/5/20追加
MU100以上ならインサーションのLo-Fiを使うことでノイズを再現できます。
パラメータは以下のように設定しています。 緑色の項目が重要です。
また, Lo-Fiを使う場合高次の倍音を入れると音が歪んでしまうので
倍音の数を2つくらいに減らしたほうがいいみたいです。
エフェクトパラメータ

●方形波(標準XG)
Prg#81, Bnk#6のSquare Lead2が方形波に近いようです。
Prg#81, Bnk#71のBrickのほうが波形的には方形波に近いんですけど,
MU100以上にしかない上, エンベロープがなんか違うのでSquare Lead2を使ってます。

●3:1矩形波(標準XG)
Prg#81, Bnk#6のSquare Lead2を使って合成, 近似できます。
基音の1オクターブ上をベロシティ比 1 : 0.841 ≒ 120 : 101 で重ね合わせます。

三角波, 方形波, 3:1矩形波を使った曲のサンプルを載せときます。
ベースに三角波, メロディに方形波, コードに3:1矩形波が使われています。
mid(2kB) wav(49kB)

●7:1矩形波(標準XG, MU100以上)
7:1矩形波は合成によって作るのが困難なので適当な音色を探してみると
Prg#8, Bnk#64のPulse ClaviとPrg#8, Bnk#67のSynth Claviの2つの候補が見つかりました。
この2つはどちらも特性がまちまちなので, 今のところ時と場合に応じて使い分けてます。
特性を表にすると,
Pulse CalviSynth Clavi
◎標準XGで使える○MU100以上の音色
○波形が7:1矩形波に近い△波形は1:5矩形波に近い
×減衰が非常に早い○ある程度音が伸ばせる
のような感じです。
Pulse Claviの減衰はかなり致命的(ディケイ127でも8分音符くらいまでしかムリ)なので
Synth Claviを使うことのほうが多いんですが, 波形的には違うので悩みどころです。
音色のサンプルを載せときます。
Pulse Clavi mid(2kB) wav(33kB)
Synth Clavi mid(2kB) wav(33kB)

2001/9/6追加
Prg#81, Bnk#67のPulse Leadがいい感じみたいです。
アタックに若干クセがありますが, 波形が7:1矩形波に近い上, なにより減衰しないのが大きいです。
MU90以上で使える音色です。
Pulse Lead mid(2kB) wav(33kB)

●ドラム(MU100以上)
ホワイトノイズを使ったハイハット, スネアなどには,
ドラムセットのBnk#126, Prg#18のTechno Kit HiのNote#57のBomb Snare Hiを使うといいみたいです。
ピッチ, フィルター, エンベロープを適当に調節してやればかなり近い音が出ます。
FF3で使われているバスドラにはAnalog KitのNote#35のKick Analogを使うといいみたいです。
音色のサンプルを載せときます。
mid(3kB) wav(79kB)

とりあえず, これだけで音色的にはそこそこのデータが作れると思います。
でも, エンベロープを作るために1音1音エクスプレッションを入力しないといけないので,
打ちこみのときにはむしろそっちの方が大変だったりします。

最後に, 「MIDIでFC音再現法」を公開しておられるじゅさんに感謝します。

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